洗濯動線でコレ抜けてませんか?
こんにちは。
茨城県筑西市の工務店、四つ葉工房の篠﨑です。
先日、約半年に渡った工務店設計塾の最終回を迎えました。

少し前から設計の勉強をしたくて、探して行き着いたのが新建新聞社さん主催のこの設計塾。
塾長の飯塚豊さんは法政大学でも講師をしている東京の建築家と呼ばれる方です。実は私、塾に参加するまで全く存じ上げておりませんでしたが調べたら業界では有名な方でした。
全6回シリーズで、毎回飯塚さん、副塾長のリオタデザインの関本さん、プラス毎回変わるゲスト講師による数時間の講義のあと、課題を即日設計。そして手書きです。
次の日の正午が提出期限なので厳密には即日ではありませんが、期限は約24時間。とはいえ私の場合、いつも次の日は普通に仕事を入れていたので食事、家事、睡眠、育児の時間等を考慮するとプラン計画から大体8時間以内で着色まで仕上げなくてはいけませんでした。
みんな言ってたけれど、これが結構きつかったですね。仕事だけでなく家族にも少し協力してもらい8時間くらいで着色まで描き上げるようにしていましたが次の日の仕事に支障が出るくらい疲弊するときもありました。
そしてさらに日をまたいで翌日は参加者全員の前で課題の講評をしてもらいます。今回は参加者が23名だったのでほぼ一日がかり。
でもこれがまた良くてですね、同じ敷地と条件の課題を他の人はどう解釈して計画したのかがすごく勉強になりました。

今回は第7期ということで「ぜひ次の第8期もどうですか!?」と誘われましたが、とりあえず今はおなかいっぱいなのでお断りさせていただきましたが、もう少し時間が経って、もっと経験を積めたらもう一回くらい参加してみたいかな。
新建新聞社の皆様、講師の皆様、同期の皆様、大変お世話になりました<(_ _)>
さて今回は動線の話。
間取りでここ数年人気キーワード(のような気がする)なのが家事楽動線。
共働きの子育て世代はとにかく忙しいです。
夕方、仕事が終わったら子供たちを保育園や学童に迎えに行き、帰ってきてから子供たちの宿題、荷物、用意するものをチェックし、晩御飯を作りながらお風呂の準備をして、お風呂に入ってご飯を食べる。一息つく間もなく食器の洗い物をして、洗濯機を回す。そんなことをやっているとたちまち9時、10時を回ってしまい、子供たちに歯磨きをさせて寝かせる時間に。
子供たちの習い事がプラスされると、さらに慌ただしさに拍車がかかる。
多少の違いはあれど、どこのおうちも大体そんな感じだと思います。
そんな状況で家づくりを始めるご夫婦には「家事楽動線」というワードは突き刺ささります。
そんなこんなで大手、中小問わずそこをPRしている建築会社さんは多いのかなと思います。
今回はそんな動線計画の中でも「洗濯動線」に視点を当ててみたいと思います。
洗濯動線というと、どういった間取りを想像しますか?
一般的にはお風呂は北側に持っていくことが多いです。
なので自然と脱衣場や洗濯室もその周辺の北側方面に配置されます。
そして洗面脱衣室を3畳以上計画してその室内に物干し場を作る。
そのすぐ近くに衣服用のウォークインクローゼット(ファミクロ)を作って洗濯動線が完璧です!みたいな間取りは本当によく見かけます。
一見悪くなさそうに思えますが、注意点がいくつかあります。
まず基本的なことですが洗濯動線は
服を脱ぐ→洗う→干す→取り込む→畳む→しまう
というのが流れです。
洗うまでは特に問題ありません。問題はそこから
まず洗濯物を干す場所は本当にそこで良いのか!?
北側で3畳程度の脱衣室に物干しスペースを作ってしまったのでは夫婦二人分くらいならまだいいですが、家族4人もしくは5人となった時にスペースを目いっぱい使ってしまいその部屋が非常に使いづらくなってしまいます。干した後にお風呂に入る人がいると洗濯物をかき分けて奥まで行く必要がありますし、洗濯物が大量に干されている狭い部屋で洗面台を使うのは微妙ですよね。その場合は最低でも洗面所は別に配置するなどの計画が必須と言えます。
そして次に気を付けたいのが北側周辺の日当たりが悪い部屋では乾きが悪いこと。
近年多い洗面脱衣室窓無しの間取りではなおさらですね。
干している間は部屋のドアや窓を開けて湿気を逃げやすくして空気が循環しやすいようにしておけば違いますが、難しい場合もあるでしょう。
対応策として乾燥機やサーキュレーターを併用する、あるいは動線計画の見直しは出てきますが、物干し専用のサンルームを作るという手もあります。
次の問題は取り込む時。
取り込んですぐに畳めるなら問題ありませんが、脱衣場に干している場合はお風呂に入ったり、洗面台を使う際に干してある洗濯物が邪魔になるので一度取り込みたくなります。外に干している場合でも陽が落ちてきたら、たとえ畳む前でも取り込みたいですね。
どうせ仮置きするならば畳む場所に置きたくなりますが、これが悩みどころ。
そして今回のタイトルにもなっている「動線計画で抜けてしまいがちな項目」となります。
リビングで畳むのも良いですが、お勧めはウォークインクローゼットの近くです。なぜかというと量が多い場合は、畳みながら重なってきたら都度しまいやすくなるからです。もしくはクローゼット内で畳んでしまうというのもアリです。
ただしクローゼット内で畳む計画ならばクローゼット内の幅は一般的な1820(182センチ)ではなく、一回り大きい2275(227.5センチ)で計画しないと窮屈になってしまいます。
※住宅は基本となる寸法があります(モジュール)。尺モジュールでは91センチ、メーターモジュールでは100センチ(1メートル)が基本ピッチとなります。今の日本の住宅では尺モジュール(91センチ)が多く採用されています。今回の例で言うと182センチは2ピッチ、227.5センチは2.5ピッチということになります。
そして重要なのは、しまって終わりではないということです。
次の日の朝、必ずどこかから服を取ってきて着替えることになります。
忙しい朝のためにも衣服の収納場所の計画も大切です。
まとめ
長々と書いてしまいましたが、洗濯動線に関する注意点は以下になります。
①干す場所の検討
室内物干し場は良いが、生活スタイルに合わせた計画を。
②畳む場所を考える
畳む場所は動線上のどこかにあれば。クローゼット内で畳むなら部屋の幅は柱芯182センチではなく227.5センチが理想
③動線を再確認
畳んでしまって終わりではなく、次に着る時のことまで考えた動線計画を。
生活スタイルは人それぞれです。一般的にはこうだからというのは気にしないで自分たちの生活スタイルに合わせた動線計画を考えられると良いですね。
どうぞ、ご参考にしてみてください。
それでは、また(^^)/
🍀四つ葉工房は茨城県筑西市を中心に下妻市、結城市、桜川市、八千代町、つくば市北西部で「高耐震、高気密、高断熱、高耐久、自然素材」をベースに「デザイン×性能×コスト」のバランスを重視した新築の注文住宅やリフォーム、リノベーションといった家づくりを行っている工務店です🍀