資産運用VS頭金or繰り上げ返済
こんにちは。
今日は関東地方でも大雪です。子供のころは年に一回くらいしかない大雪が大好きでしたが、大人になってからは予定が狂うし、行動は制限されるしで、全く好きではなくなりました。きっとそんな大人は大勢いるでしょう。
筑西市の工務店、四つ葉工房の篠﨑です。
このブログは「家づくり役立つブログ」として更新していますので、家づくりに特化した内容となっていますが、今回のタイトルに出てくる「資産運用」は家づくりには関係ありません。
でも家づくりにとって、切っても切り離せないお金の考え方としては、逆に少し知っておいてもらっても良いことかなと思い、ブログにしてみました。
私は「住宅ローンアドバイザー」と「FP3級」という資格を持っており、多少なりとも、どちらの勉強もしておりますが、田舎で小さな工務店を経営しながら、のんびりと資産運用している程度ですので、ガッツリ資産運用でFIREしているような人には物足りない内容になってしまうかと思いますが、「資産運用なんて考えたことなかった」、「家を建てる時には、ちゃんと頭金を入れて、繰り上げ返済をするのが絶対正しい」と思っている方には為になる内容になるかと思います。
決して投資を勧める話ではありませんので、長くなってしまいそうですが、なるべく簡単に書いていこうと思います。
前もって言っておきますが、今回お話する資産運用については比較的リスクの低い「投資信託」に焦点を当てたお話ですので、ギャンブル性の高い「株式投資」や「先物取引」は全く別物としてお考え下さい。またすべての人が当てはまるわけではありませんので、参考程度にお考え下さい。
そもそも資産運用って何?
資産運用とは持っている資産を円ではなく、違ったモノで所有し、その価値が変動することで、資産を増やしたり、安定させたりすることを言います。
上場されている企業の株を買ったり、国債を買ったりするのはもちろんですが、不動産投資や確定拠出年金のiDeCoなども資産運用に入りますね。
投資信託は現金を有価証券化するという点では株式投資や先物取引に似ていますが、特定の企業やモノ単独ではなく、金融商品を買うことで投資のプロにお金を預けることになり、その資金を元手に増やしてもらい、リターンをそれぞれ分配するような仕組みです。
他の人に運用を代行してもらうことになりますので、その分丸儲けというわけにはいきませんが、プロが運用することでリスクも低くなり、面倒もありません。
商品の銘柄も多く、一般的には様々な要素が組み合わせた金融商品が多いので、浮き沈みはありますが、長期的にみるとチャートは右肩上がりになることがほとんどです。
何の為に資産運用するの?
なんで資産運用するのかというと、「お金を増やすため」と答える方は多いと思います。
ここで問題です!
今銀行にお金を預けておくと、どれくらい利息が付くのでしょうか?
すぐに答えが出てきた方は、資産運用に興味があるか、もうすでに始められている方だと思います。
正解は……
日銀の調査によると平均で0.001%です。定期でも0.002~0.003%です。
つまり普通に銀行に預けているだけでは100万円預けても一年間で10円しか増えません。
比較的リスクの低いと言われている投資信託でも平均で4~6%の運用益はあると言われています。(商品によってかなりのばらつきがあります)
仮に5%の運用益だったとしたら100万円預けておけば5万円増えることになりますので、多くの人はそちらを選ぶと思います。(※短期的にみると著しく下落することも普通にあります。)
ただし、気を付けたいのは投資信託で出た運用益(利益)は現金化した時に課税対象になるという事です。税率は20%ですので、先ほどの5万円の利益は手元に戻ってくるときには4万円になってしまうという事になります。
そこで人気なのがNISA(少額投資非課税制度)です。
「NISA」というワードはもうおなじみなのでご存じの方も多いと思いますが、
特定の条件(運用額と期間)を満たした場合には運用益がどれだけ出ても非課税にします!という制度ですので、投資信託をしている方でNISA口座を持っている方は非常に多いと思います。
一旦ここで資産運用の説明は終わりにして本題に入っていきたいと思います。
住宅ローンの利息はどれくらい?
今回のお題のもう一つである住宅ローンに関しても見ていきましょう。
住宅ローンは変動金利と固定金利のローンの二種類があります。
期間選択型固定金利ローンは返済が終わるまで金利が確定しないという点で変動金利の一種だと考えられますので、変動金利だと思ってください。
次に利率ですが、今回は住宅ローン自体の比較検討が目的ではないのでザックリ説明します。
変動金利の場合、ネット銀行で0.3~0.5%程度、都市銀行や地方銀行の窓口対応商品で0.6~1%程度です。
固定金利はおおよそ1~2%程度が今の相場だと思ってください。
ここからは例を交えて検討していきます。
家づくりに係る総予算が5,000万円だとして、返済計画をどう組み立てますか?
家づくりの予算を出してみて、土地代、建物代、外構費用、家具家財、火災保険、登記費用、住宅ローン諸費用など全ての費用を算出して、仮に5,000万円だったとします。
ここから試算を交えて説明していきます。今回の試算では
①単純にフルローンの時の利息
②頭金を入れた場合の利息(繰り上げ返済は頭金verの応用編みたいなものですので今回は試算しません)
③頭金を入れられるけれども、あえて入れず、その分を投資信託に充てる
の3パターンを試算して、結果を見たいと思います。
住宅ローンの条件は今回は「返済期間35年(420回払い)で金利1%」にします。
資産運用の条件は「20年運用で平均運用益を4%」に設定します。資産運用の期間を住宅ローンと同じく35年ではなく20年に設定したのは家を建てる前後に生まれた子供の教育資金と重ねるのが現実的だと思ったからです。その時はライフプランシミュレーションでも最も家計が圧迫されやすい時期となるので、貯蓄を切り崩すことを想定しています。
まず①からです。
フルローンの場合は金融機関から5,000万円の借入です。
その場合月々の返済額は141,142円、総返済額は59,279,640円となり、利息だけでも900万円以上の支払いになります。これだけ見ると頭金や繰り上げ返済をした方が良いような気もしますね。
では次に②です。
仮に頭金で1,500万円入れてみましょう。
5,000万円のうち1,500万円を頭金で入れますので差額の3,500万円を金融機関から借入することになります。
その場合、月々の返済額は98,799円、総返済額は41,495,580円となり利息分は約650万円です。①と比べると月々の返済額は4万円以上負担が軽くなりますね。利息の差は約280万円です。
最後は③です。
こちらは利息は①と同じですが、投資信託の運用益があります。
投資には色々と方法がありますが今回は頭金分の1,500万円を単純に一括投資したとして考えます。
投資金額1,500万円、運用期間20年、想定リターン年4%、想定リスク年2%でシミュレーションすると32,866,847円となり、1,700万円以上資産が増える計算となります。
検証
①、②、③のパターンを試算してみましたが、いかがでしたか?
まず①で予算総額をフルローンにして最大の利息を出しました。
そして②と③で頭金を入れた場合と頭金分を運用した場合の結果が分かったかと思います。
②の頭金を入れた場合は、利息が約280万円ほど安くなり、月々の返済額も4万円以上負担が軽くなりました。
③では月々の負担は変わりませんが、20年後にお金がしっかりと溜まっているという結果でした。5,000万円フルローンした場合の利息は35年返済の金利1%で約900万円でしたので、利息の倍近いお金が20年で溜まることになります。
今回の検証では住宅ローン減税や住宅ローン控除を組む時の団体信用生命保険(団信)、加入している生命保険や浮いた差額4万円の使い道などは考慮しておりません。(かなり複雑になってしまうので( ;∀;)
でも、こういったことを少しでも知っておくと考えが変わるかもしれませんので参考にしてみてください
まとめ
いつもより長くなってしまいましたが、今回のお話はいかがでしたか?
念を押して言っておきますが、決して投資自体を勧めているわけではありません。
むしろ投資をしない方が良いと思う方はいます。
例えば目先の損得に振り回されやすい人です。投資信託のチャートの上がり方に絶対はありませんし、部分的に見たら資産が減ることも普通にありますので、長い目で見れない方だと精神的に疲れてしまいます。実は私自身も若い頃「ここから下がってしまうのでは?」と不安になり焦って解約して、結果もったいないことをしてしまった経験があります。(損はしてませんが解約後さらに伸びていき、悔しい思いをしました)
あとはそもそも貯蓄をあまりされていない方です。お金の使い方は人それぞれですので、貯蓄があるかないかはその人の自由ですが、あくまでも投資信託は貯蓄の延長と見た方が良いので、万が一、ケガや病気で働けなくなったりした時のことも考えて最低でも半年分以上の生活資金は現金で持っておいた方が良いでしょう。ずっと銀行に預けておくだけではもったいないなと思う分だけ運用することが基本です。
YouTubeやSNSの広告では良いことばかり言っていますが、リスクも少なからずあるという事を忘れないでください。
家でも物でも仕事でも同じですが、投資は自己責任です。
それでは、また(^^)/
興味がある方は過去に書いたお金の話もぜひ見てみてください→35歳年収500万 いくら借りられますか?
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