LDKの距離感を考えましょう
あけましておめでとうございます。
茨城県筑西市の工務店、四つ葉工房の篠﨑です。
当社は明日6日から始動します。
今年も家づくりや暮らしに役立つブログを週一ペースでせっせと書いていきたいと思っておりますので、ぜひともお付き合いください。
正月休みはいかがお過ごしでしたか?
私事ですが、実は過去二年のお正月は流行病にかかってしまいまして、ほぼ寝正月。初詣も五日とか六日に行っておりました。
今年は元気にお正月を迎えられるか?と思っていたら大みそかに三女が発熱。
発熱と言ってもそこまでの高熱ではなく食欲もあり、日付が変わって元日の朝には熱もある程度下がっていたので、とりあえず一日様子を見て、次の日にはいつも通りになっていたので、家族5人で初詣に行ってきました。
家族が幸せに過ごせるように、自分が健康でいられるように、仕事が穏やかに続くように、と祈願する内容はここ10年ほど変わっていません。きっと世の大多数の大人の願いは同じでしょう。
子供たちは年に一度の稼ぎ時w
小学生のお姉さんたちは中身を確認し、計算し、ニンマリ!
頼むからもらったお年玉をもらったその場で開封するのはやめてくれ!とお願いするも、小1の次女はもらうたびにテンションが上がり、そんなことは忘れてチェックw
今年の正月休みはゆっくりできて、アマプラで映画を1本、本を1冊読めたので良いお休みになりました。
明日からまた仕事と学童という日常に戻ります。
さて、今年一回目のお題はLDKについて。
テレビやラジオで流れてくる住宅会社の宣伝で
「明るくて広いリビング」みたいなフレーズを見聞きすることがあります。
家づくりは夢がありますので、これから家づくりを始める方のわくわくを刺激する良いフレーズかもしれません。
決して「明るくて広いリビング」を否定するつもりはありません。
ただ配置には気を付けていただきたいと思っています。
その中でも今回はLDKの距離感について少し書いていきたいと思っています。
生活するうえで「家事」というのは欠かせないことは言うまでもありません。
数ある家事の中でも一番長い時間を過ごすのはキッチンではないでしょうか?
調理、洗い物だけでなく、食材や食器の整理、下ごしらえなどを加味するとキッチンに人が立っている時間というのは決して少なくないはず。
建築士の中で、「キッチンは司令塔」という考えの人がたまにいまして、私もそう思っている一人です。
そして主としてキッチンに立っている人は「司令官」になりやすいです。
司令官はキッチンで家事をしながら時計をチェックしてその後の段取りを考えます。
そして他の家族に指示を出したり確認をします。
キッチンで料理を作っている奥さんがリビングでソファに座っている子供や旦那さんに
「宿題終わってる?」
「ご飯できるまでもう少しかかりそうだから今のうちにお風呂に入ってきちゃって」
なんて会話はどの家庭でも飛び交っていることと思います。
普通であれば「もう宿題終わってるよ」とか
「了解。んじゃ先にお風呂入ってきちゃうね」で終わりますね。
でも仮にキッチンとリビングが遠くて聞こえていない場合に、再度伝える時には言葉尻が少し強くなります。
「ねぇ!宿題終わってんの?」
「聞いてるの?早くお風呂入ってきてよ!」
といった感じに。
そうすると言われた方は
「宿題宿題うるさいなぁ」
「そんな言い方しなくてもいいじゃん」
という嫌なとらえ方をしてしまいがちです。
当然ですが距離が遠いと返事も言葉尻が強くなるので、良かれと思って初めに言葉を発した奥さんまで、「こっちは家事やってるのに!誰のためにやってると思っているんだ!」と不機嫌になってしまう。
これは空間デザイン心理学協会代表の高原美由紀さんの著書の中で言葉尻の法則と言われており、家の中で会話をする時に、およそ3.6m以上離れた場所で会話をすると言葉尻が強くなってしまうようです。
著書の中では講座でこの話をすると多くの方が同じ経験をされていることが分かったそうです。
確かに私もそのような経験は幾度となくあります。
これらは人に問題があるのではなく間取りに問題があると言えます。
家族がそれぞれ別のことをしながら長い時間一緒に過ごすLDKの適切な距離感は直径3~3.6m以内に家族がいることだと言われています。
ダイニングの椅子で旦那さんがスマホを見て、子供がリビングで宿題をやって、奥さんがソファに座って本を読んで、とそれぞれ別のことをやっていたとしても、その直径3~3.6mの中に入っていると、一緒に過ごしているというつながりの感覚が持てるそうです。
もちろんその距離感であれば言葉尻も強くなりにくいので自然な会話が成り立ちますね。
適切な距離で会話ができれば自然な会話になり、さらに会話が弾みますが、きつい言い方をされると少しずつ不機嫌になってきて、最後にはちょっとした言い合いみたいになって悶々として終わってしまうなんて最悪ですよね。しかもその内容があまりにもくだらない理由であればなおさらです。
家は日常を過ごす場所ですので、毎日のちょっとした積み重ねがのちに大きくなります。
とはいえ家族の距離感が近ければいいというものではありません。
とはいえ人にはそれぞれパーソナルスペース(快適に思える人との距離感や領域)というものがあり、適度な距離感は必要です。
住宅展示場などで見栄え良く作られた広々としたリビングを見るとワクワクしてしまいがちですが、家はリゾートホテルのように非日常を味わう場所ではなく、大切な家族と何気ない日常を過ごす場所であることを忘れずに家づくりの計画を進めていただきたいと思います。
家づくりの本質はモノではなくコトです。
それでは、また(^^)/
🍀四つ葉工房は茨城県筑西市を中心に下妻市、結城市、桜川市、八千代町、つくば市北西部で「高耐震、高気密、高断熱、高耐久、自然素材」をベースに「デザイン×性能×コスト」のバランスを重視した新築の注文住宅やリフォーム、リノベーションといった家づくりを行っている工務店です🍀