カーテンを開けてもらえるように考える
こんにちは。
茨城県筑西市の工務店、四つ葉工房の篠﨑です。
先週の話ですが、ご縁があり、とある建築家の方のアトリエ兼自宅を拝見させていただく機会がありました。
内装もさすがだなと思わされる点が多々ありましたが、個人的には坪庭の作り方がとても興味深く、本当に上手で、良い勉強をさせていただきました。
坪庭というと割と閉じられた空間と言いますか、中と外をしっかり分けられるケースをよく見かけます。
今回拝見させていただいた坪庭は全く閉塞感はないのに、通りから室内への視線を遮りつつ、室内からは豊かな自然が感じられ、室内のあらゆるところから眺められる。もちろん坪庭のメリットの一つである奥まで陽を届けるということもできている素晴らしい坪庭でした。
もちろんただ庭を作ればいいというわけではなく、初めから計画されていたのだと思います。
建物と外構を分けて考えてしまうハウスメーカー的思考だと作ることは難しいですね。
やはり建物と庭は同時進行の計画が必須です。
今回のブログのテーマは庭に関連して、カーテンについて。
カーテンを閉める理由は何でしょう?
日照の調整、外部からの視線の遮断というのが主な目的です。
ではカーテンを開ける理由とは?
こちらは陽の光を取り入れたい、外の景観を見たいというのが理由かと思います。
閉める理由は生活の中での対策であり、開ける理由はどこか人間の本能に訴えかけるような理由がありますね。
つまり大抵の人はプライバシーさえ遵守できればカーテンを開けて暮らしたいというのが本音なのかなと思えます。
カーテンを開けて生活することのメリットは今のような寒い時期には特に恩恵が大きいです。
南側の日射熱の取得による室温の自然上昇です。
地域や窓の大きさや種類にもよりますが、茨城県のような太平洋側は日射条件も良く、冬場の低い太陽高度の日射を上手に取り込めれば、今のような真冬でも晴天時には無暖房の自然室温で25℃以上の確保は容易にできます。高気密高断熱住宅であれば、その熱の貯金を日が暮れた夜間まで使うことができるので、エアコンの稼働時間も抑えられます。
これがカーテンを閉め切りにして日射熱を遮断してしまうといくら高気密高断熱住宅でも20℃程度か、それ以下の室温にしかならないのかなと。そうなると滞在時には常にエアコンが必要になり、光熱費もかかってしまう。
※余談ですが日射を取り込むということに関しては高性能窓の方が不利になります。ただし日が暮れてきて外気温が下がってきた際には断熱性能が高い窓の方が有利になります。
家の計画で南側に大きな窓を付けて日射を取り込んでもらおうと設計者が思っても、実際に暮らす人が日中必ずカーテンを閉めて生活となると恩恵は全く得られなくなってしまいます。
設計者として非常に難しい課題だと思っています。
もちろん周辺環境に配慮した配置計画は考えますが、隣地のことや接道道路など周辺環境はなかなか変えられない、となるとほかの手で考えるしかない。
視線が気になる部分だけ目隠しフェンスで視線を遮るのか?
常緑樹系の植栽で目隠しと景観を兼ねるのか?
カーテンの形状をブラインドタイプにして視線と日射を微調整しながら生活してもらうのか?
設計者の技量によるところもありますが、最終的には住まい手さんの判断になります。
作り手としては今の時期は滞在不在に限らず、晴れているときはできる限りカーテンを開けて太陽の恩恵を受けてもらいたいと思っております。
どうしたらカーテンを開けてもらえるのか?という仕掛けをしっかりと考えてご提案していきたいと思います。
それでは、また(^^)/
🍀四つ葉工房は茨城県筑西市を中心に下妻市、結城市、桜川市、八千代町、つくば市北西部で「高耐震、高気密、高断熱、高耐久、自然素材」をベースに「デザイン×性能×コスト」のバランスを重視した新築の注文住宅やリフォーム、リノベーションといった家づくりを行っている工務店です🍀