令和の米騒動から考える職人の価値
こんにちは。
茨城県筑西市の工務店、四つ葉工房の篠﨑です。
米価高騰問題に歯止めがかかりませんね。
中抜き業者が価格調整をしているだの、ぼったくりだのと言われたりもしていますが、本当のところはどうなんでしょうね。
今の米騒動の発端は、異常気象による収穫量の減少や資材の高騰、投機的取引そして生産者数の減少など様々な要因が絡み合っていると言われています。
新しく就任した小泉農水大臣に頑張っていただきたいですね。
本来商売というのは、仕入れたものをいくらで売ろうが自由です。いくら儲けようが法を犯していなければ、違法ではありません。
私はお米が大好きなので日本の米農家さんがきちんと報酬を得てしっかりとしたお米を気持ち良く作ってくれるような環境になるならば、ある程度高くなっても良いと思っています。
でもだからと言って簡単に儲けられるようになってしまうのは反対です。
バブル期の建設業界の職人さんが良い意味での悪い教訓です。
バブル期は私はまだ小学校に上がった頃ですので、聞いた話になりますが当時の日本では今と違い、住宅における需要は供給を大きく上回っていました。
家を建てたい人はいっぱいいるけれど、工務店や職人が不足しているので需要が高まり、景気好調も後押しとなり、住宅価格は高騰。そこで住宅産業は儲かるということで多くの人が参入しました。
結果として勉強不足、経験不足の人たちによる、質の悪い設計や工事による質の低い住宅がたくさんできてしまったというのが日本の歴史です。
バブルって今から約30年くらい前です。
そして、その時に建てられた建物が今現在、多くリフォームされています。
私自身もその頃建てられた家の改修に携わることもあるのですが、「えっ?」と驚くような仕事を見かける時があります。
今はどうかというと、あまりにもひどい職人は淘汰されてきているかな、という感じです。
でもそれって結局は職人の技術料が価格競争に強制参加させられてしまい、結果として、仕事が遅くてあまり上手でない人たちが残れなくなってしまっているだけかもしれません。
仮に今後賃金が上がり、「職人は儲かる」となればまた中途半端な人たちが参入してきて、再度職人の価値を下げるというサイクルになってしまうのではという懸念もあります。
難しい問題ですね。
農林水産省の統計データでは稲作農家の95%が赤字と言われており、このままではこれから米作りをしようという若者はなかなか現れずますます先細りになってしまうでしょう。
直近のニュースで小泉農水大臣が「6月上旬には店頭価格を5キロ2,000円にする」との発言を受けて、米農家さんの落胆の声も紹介されていました。
値上がりした分は流通コストの上昇分などは仕方ないとして、大部分が生産者に還元されてほしいと切に願っております。
住宅価格はコロナ以前と比べて3割程度上がっていると言われていますが、職人さんたちの賃金はあまり変わっておりません。
住宅に限らず非住宅の大きな建物になればなるほど間に入る人数が多くなります。
間に入る人は右から左に流すだけなのでほんの少しでも乗せられれば別に構いませんが実際に体と時間を使う現場の職人はそうはいきません。
これから家づくりやリフォームを検討される方には、過度な相見積もりや値引き交渉は、もしかしたら現場の作業員や資材の販売会社を困らせているだけかもしれないということを知っておいてほしいです。
とはいえ、少しでも安く作ってもらいたいという気持ちは分からなくもないんですけどね。
それでは、また(^^)/
🍀四つ葉工房は茨城県筑西市を中心に下妻市、結城市、桜川市、八千代町、つくば市北西部で「高耐震、高気密、高断熱、高耐久、自然素材」をベースに「デザイン×性能×コスト」のバランスを重視した新築の注文住宅やリフォーム、リノベーションといった家づくりを行っている工務店です🍀