天井は高い方が良い?
こんにちは。
筑西市の工務店、四つ葉工房の篠﨑です。
先日、若い頃に(今も若いつもりですけど)大変お世話になった方の告別式に参列してきました。
式中はその方とのエピソードを色々と思い出し、懐かしい記憶に思いを巡らせていました。
懐かしい顔ぶれと再会することもできました。
またみんなで集まりたいなぁ…
さて、今回は天井の高さのお話し。
家づくりの話をしていると新築、リフォーム問わず誤解されてるなぁと思う時があることの一つが天井の高さです。
「天井は高い方が開放感がある」「天井が低いと圧迫感がある」
実はこれは一概には言えません。
天井高は高い方が良い、低い方が良いというのはケースバイケースだと思っています。
例えばリビングなどはプランによっては天井が高い方が良いと思う時もありますが、廊下やトイレなど狭い空間で天井の高さを他の居室と同じにしてしまうと壁を高く感じることで逆に圧迫感を感じる場合もあります。
畳コーナーや和室と言った床に座って過ごす空間については他の部屋と比べて目線が下がるのに天井高が高いとかえって落ち着かない空間になってしまいます。
今の一般的な天井高は2.4m~2.5m程度で設定されている住宅会社さんが多いようです。でもこれって、特に理由はないようです( ;∀;)
・他の会社が2.5mにしているからウチもとりあえず合わせよう
・全部同じように2.4mにしておけば材料の発注ミスや工事ミスが減るからわざわざ変えない
と言った理由みたいです(とある情報筋w)
中には天井高2.6mや2.7mといったことをウリにPRされている会社さんもいらっしゃいますが、その会社さんは天井高を高くすることのデメリットをきちんとお施主さんに伝えているのかなぁと思ってしまいます。
よく言われる「天井を低くすると圧迫感が出る」という事ですが実は興味深い話があります。
私は設計するときに最近は居室などの天井を2.3m以下にしていますが、見学に来られた一般の方に見学の後「一般的な天井より少し低くしてあるのですが、気付きましたか?」と質問をすると、半分以上の方が「気付かなかった」と答えます。何人かの方は「少し低いような気がした」と答えられますが、その後続けて「圧迫感を感じましたか?」と聞いてみるのですが「圧迫感があった」と答えられた方は一人もいらっしゃいません。
実はこれには工夫がありまして、ただ天井の高さを低くしているわけではありません。
天井を2.3m以下のように低くするときには窓の高さも変えています。
冒頭で一般的な新築住宅は天井高さが2.4mか2.5mになっていることが多いと述べましたが、実は窓の高さもほとんどの家で統一されています。
こちらは今の家の室内ドアが2mになっていることと関係があり、それに合わせて窓の高さも2mの高さから下に取り付けるという習慣があります。
なので窓の高さを変えずに天井の高さだけを変えると違和感が出てしまいます。
私は設計の際にはすべての窓に対して取付高さの検討をします。
この工程をきちんと行うことで天井を下げても圧迫感が出ずに、空間に落ち着きが生まれると思っています。
ただ窓の高さを下げることは注意点もあります。
採光の面では不利になります。窓は高い位置に付ける方が部屋の奥まで光を届けるので、採光という点では不利になります。ただ低くすれば良いというものではありません。ここら辺はバランスが大切です。
天井を下げるメリットは他にもあります。
・壁面積が減るので工事費を減らすことができる。
・空間の容積が減ることで計画換気の面でも有利になり、冷暖房効率も良くなる。
・天井を下げることで、場合によっては階高(1階から2階、2階から屋根までの距離)を短くすることできて、耐震性能が良くなる。
・階高を短くすることで建物の重心が下がり、見た目が良くなる(パース図などで比べると良くわかります)
個人的にはデメリットはあまりないと思っています。
窓の高さ、エアコンや照明器具の干渉などは気を付けてください。
リビングは意匠的に天井を上げることもありますが、低い天井でも、空間の「抜け」を意識した設計をすることで圧迫感を出さないようにできます。
例えば洋服屋さんの店舗で背面が鏡張りになっているお店に入った時に実は狭い店なのに広く感じたことはありませんか?
吹き抜けのように上に「抜け」を作るだけでなく横方向に「抜け」を意識することでも空間に広がりを感じることができるのです。
まとめ
今回のお話はいかがでしたか?
個人的には大工の見習い時代から何となく2.4mや2.5mの天井は高いと思っていました。
なので自分なりに色々と勉強して今は少し低い天井をご提案しています。
高い天井だけが良いわけではありませんよ~♪
それでは、また(^^)/
🍀四つ葉工房は茨城県筑西市を中心に下妻市、結城市、桜川市、八千代町、つくば市北西部で「高耐震、高気密、高断熱、高耐久、自然素材」をベースに「デザイン×性能×コスト」のバランスを重視した新築の注文住宅やリフォーム、リノベーションといった家づくりを行っている工務店です🍀