お知らせ

屋根について考える②

こんにちは。

筑西市の工務店、四つ葉工房の篠﨑です。

先日、私の両親の還暦のお祝いをしました。

私は3兄弟なのですが、思い返してみると兄弟だけで計画して両親に何かをしてあげたというのは初めてだったと途中で気付きました。

兄弟全員が親の立場になっている今だからこその思いもあったと思います。

とても良い1日でした。

今回は屋根シリーズの第2弾です。

第1弾はこちらから見れます。→屋根について考える①

今回は屋根の仕上げ材についてお話します。

主な屋根の仕上げ材

主に住宅に使われる材料として

・ガルバリウム鋼板 縦葺(ぶ)き

・ガルバリウム鋼板 横葺(ぶ)き

・瓦

・コロニアルスレート

・アスファルトシングル

・FRP防水

これら以外の仕上げ材もありますが、今回はこちらの6点の検証をしていきます。

ガルバリウムは縦に使う場合と横に使う場合があり、素材は同じなのですが、それ以外の違いが大きいので別物として扱います。

今回、葺く(ふく)というワードが沢山出てきますが、屋根は業界用語では「貼る」「付ける」「留める」ではなく「葺く」という言い方をしますので、今回はそのように表現させていただきます。

ガルバリウム鋼板 縦葺き

こちらは今の住宅の主流と言えるでしょう。

高性能住宅でも当たり前のように使われています。

防水性、耐久性、耐震性、デザインなど特に欠点が見当たりません。

一昔前によく言われていた「金属系の屋根は雨音がうるさい」というのも今は断熱材の厚みや、吸音板の登場などで、解消されています。

屋根材の中では軽い方なので地震対策としても非常に有効です。

屋根の勾配(角度)の制限も最も応用が利くのも魅力です。角度の緩い屋根でも施工することができて、雨漏りのリスクは低いです。

コロナ禍以降、急激な価格高騰になってしまいましたが、素材の耐久性も瓦の次に良く、コストパフォーマンスが最も高いと言えると思います。

当社では基本的にこの「ガルバリウム鋼板 縦葺き」を常に第一候補として提案しています。

そして一番のメリットはZEHに欠かせない太陽光パネルを設置する際に屋根材に穴を開けずに施工ができる点です。横葺きではできません。長い目で見たらこの点は大きすぎるメリットです。

ただし唯一の問題点は、その性質ゆえ材料を下から上までつなぎ目なしで施工する必要があるため、材料の長さが、10m以上になってしまうことも多々あり、あまり大きい屋根になってしまうと施工場所によっては、運搬や荷揚げの点で施工不可になってしまうこともあります。設計の際には周辺地域の条件に注意が必要です。

ガルバリウム鋼板 横葺き

こちらは先ほどのガルバリウム縦葺きと同じ素材ですが縦ではなく横に葺いていく工法です。それによって違いがあります。

こちらは1.8mや3.6mといった規格のサイズの金属板を横に葺いて仕上げていきますので縦葺きのように屋根の長さの制限は受けません。

その代わり屋根の勾配(角度)を3寸勾配(約16.7°)以上にしないといけません。角度が緩すぎると雨漏りのリスクがあるからです。

こちらも素材の耐久性としては抜群です。

個人的にはガルバ横葺きが一番見た目が好みですw

今回は陶器瓦という事で話を進めていきます。

セメント瓦は別だと思ってください。

瓦は和、洋問わず歴史があり、素材の耐久性としてはNo.1ではないかと思っております。

ほこりなどの汚れは付きますが、拭けば落ちますし、劣化もなく、塗装などのメンテナンスも要りません。最強の屋根材だと思っています。

ただしそれは瓦の素材としての話です。

瓦自体は約30センチ角ですので、家一軒に対して何百枚も使います。それだけ継ぎ目があるという事です。また陶器ですので板金のように合わせて折り込むということが出来ず、重ねているだけですので通常はあり得ないのですが、強風時には隙間から雨水の侵入は普通にあり得ます。そこで二次防水が破られると雨漏りになります。

また詳しい解説は省きますが、瓦は施工の特性上雨水をため込みやすくなっており、施工の際に職人さんの腕で、のちのリスクは大きく変わってくると思います。

最近の瓦はそこら辺を考慮して雨水が侵入しづらい形状になっておりますので、以前と比べると安心感は増していますが、絶対とは言い切れないと思います。

雨水の侵入のリスクが高いので、屋根の角度もガルバ横葺きよりも厳しい基準があります。(今は緩和されているものもあります)

そして瓦の最大のデメリットは重さです。構造の耐震性能、耐久性能に大きな影響があります。

おそらく屋根材の中で最も重くなるので、採用する時には構造に関して、その分しっかりと検討する必要があります。

ただ屋根素材としては本当に魅力ですので、今後も悪いところは改善されて残っていく屋根材だと思います。

コロニアルスレート

ガルバ縦葺きと同じく現在最も多く採用されている屋根だと思います。

ですが当社では一度も採用したことはありません。

人気の理由は単純に施工のしやすさと価格が安く抑えられるからだと思っています。

大手ローコストメーカーさんや建売会社さんではほとんどの会社が標準仕様として採用しているので、自然とシェアが増えているのだと思いますが、たくさん使われているから安心というのは危険です。

実際築10年以上のお家のメンテナンスでコロニアルスレートの塗り替えは多いようです。

10年経ったら塗り替えなくてはいけないという決まりはなく、また10年しか持たないという事もないとは思いますが、建てたハウスメーカーで加入している(させられている)長期保証の延長の条件として塗り替えを提示されてしまったり、飛び込みの塗装会社の営業マンに説得されてしまうことは実際によくあります。

それら事態は家を守ることなので、悪いことばかりではありませんが、それでは何のためにコロニアルを採用したのか分からなくなります。

確かに初期費用はコロニアルと比べて、ガルバや瓦は高いですが、10年や15年で塗り替える必要はありません。

初期費用を抑えてコロニアルにしたのに、メンテナンス費用で差額以上のお金を払うことになってしまうのは、詐欺にあっていることと似ているなと思うのは私だけではないはずです。

おそらく当社では今後も採用することはないでしょう。

予算が合わなくてもお施主さんのことを考えると、ここは削れません。

アスファルトシングル

屋根材の種類や施工方法としては、コロニアルと似ているところもありますが、施工にひと手間加えることや素材の粘りの違いで、コロニアルよりも耐久性が高いです。

当社でも過去に施工実績があります。

ガルバや瓦と比べるとメンテナンスの必要性は出てきますが、コロニアルの上位互換だと思ってもらえればいいかと思います。

仕上がりの雰囲気が素敵なので、建物によってはとても良く合うと思います。

FRP防水

FRP防水は少し特殊で、軒があるような家で採用されることはまずありません。

ベランダの床の仕上げで使われることが多いので、どちらかというとベランダの床材というイメージの方が強いかと思いますが、屋上バルコニーなどを採用した場合、FRP防水仕上げになることが多いので、今回屋根材として加えてみました。

屋根材の耐久性としては常に紫外線が当たるところなので、劣化が早く、あまりお勧めしませんが、屋上であれば、足場を組み立てなくても良いので、メンテナンスはしやすいですし、人工タイルなどを敷き詰めるなどして紫外線の影響を少なくすれば少しは長持ちするかなぁ、という印象です。

個人的には長い目で見た時に屋根がFRPというのは怖いのでこちらからは、なかなか提案できません。

過去にベランダのことについて書いたブログもありますのでお時間がある方は是非読んでみてください。→ベランダを考える

まとめ

今回のお話はいかがでしたか?

屋根材についてなるべく分かりやすく説明してみたつもりですが、全てのことについて解説はできませんので説明不足で勘違いされてしまう点もあるかと思いますが、基本的な点は抑えられたかと思います。

屋根は万が一のことが起きると大切な家が大変なことになってしまいますので、しっかりと考えましょう。

それでは、また(^^)/

🍀四つ葉工房は茨城県筑西市を中心に「高耐震、高気密、高断熱、高耐久、自然素材」をベースに「デザイン×性能×コスト」のバランスを重視した注文住宅やリフォーム、リノベーションといった家づくりを行っている工務店です🍀

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