こんにちは。

筑西市の工務店、四つ葉工房の篠﨑です。

今回は窓のお話し。

以前、窓の基本についてお話ししたブログもありますので、お時間がある方はこちらも併せてお読みください☞窓の基本

今の新築住宅では、９割以上がアルミ樹脂複合窓か、樹脂窓のどちらかです。

どちらの方が良いのかという話になると「樹脂窓」というのが一般的ですが、ちょっと待ってください！というのが今回のブログの本題です。

窓の良し悪しを図る基準はいくつかあります。

・断熱性能

熱の移動をどれくらい抑えられるかを示した値。一般的にはこの性能値で窓の性能の良い悪いが言われます。性能値だけ見るとアルミ樹脂複合窓よりも樹脂窓の方が性能が高いです。しかしながら日射取得の観点なども含めると、単純にアルミ樹脂複合窓＜樹脂窓という関係にはなりません。

・耐侯性能

窓の耐久性のことです。突発的な衝撃による破損、紫外線による変色や劣化など。こちらは樹脂サッシよりも外部がアルミになっているアルミ樹脂複合窓の方が優れています。ですが、さすがに住宅の外部に使われるので樹脂とはいえ、とても丈夫で、プラバケツや洗濯ばさみのように簡単に劣化して壊れるものではありません。耐用年数は30年以上と言われています。それでもたまに樹脂サッシは地震などの影響や突発的な衝撃で破損してしまうこともあります。北海道など本当に寒い地域では樹脂窓しか使われていません。それらの地域では樹脂窓の補修業者さんがいますが、関東ではそこまで需要がないので、本業にされている方はほとんどいないそうです。

・コスト

家づくりにおいて切っても切り離せないのがイニシャルコスト(初期費用)です。こちらは樹脂サッシの方が高い傾向にあります。よくランニングコスト(長い目で見た時にかかるコスト、ここでは断熱性能向上による光熱費の削減)を語りますが、窓を樹脂窓に変えたから単純に光熱費が減るとは限りませんのでご注意ください。

ここまでが一般的に語られることですが、今回はここであまり聞きなれないであろう性能値を用いてもう一歩踏み込んでお話しします。

・η(イータ)値

窓の日射取得率の値です。窓から入ってくる熱量を表した値となっていて、夏などの冷房期の平均日射熱取得率をηAC値(イータエーシー)と言い、冬などの暖房期の平均日射熱取得率をηAH値(イータエーエイチ)と言います。

夏は家の中に入ってくる日射を抑えることで室温上昇の抑制につながるので、ηAC値は小さい方が良いです。

逆に冬は家の中にたっぷりと日差しを入れた方が室温が上がり、暖房費の削減にもつながりますのでηAH値は大きい方が良くなります。

特に冬場の暖房費は光熱費の割合も大きくなりますので今回はηAH値だけに限って説明しますが、結論から言いますと樹脂窓よりもアルミ窓の方が、日射の取得率は大きいです。性能の悪い窓の方が室内を温めてくれるということです。

しかしそれだと陽が沈んでからの夜間や雨の日などは断熱性能が悪い窓だと室内から外へ熱が逃げていくので結果的に室内は寒くなります。そこでアルミ樹脂複合窓の出番です。

LIXILの実験データによると冬の日射を取り込む工夫をした家でアルミ樹脂複合窓と樹脂窓で比較した場合、光熱費が樹脂窓の方が高くなったという結果が出ています。

断熱性能だけ見ると樹脂窓の方が熱の損失は少ないのですが、日射の取得率による影響の方が大きいことが理由です。

まとめ

今回のお話はいかがでしたでしょうか？

少し樹脂窓の評価を下げるような書き方になってしまいましたが、決して樹脂窓が悪いと言っているわけではなく、樹脂窓じゃなくても良いんだよ、ということをお伝えしたかっただけです。

設計士さんの技量で、わざわざお金を掛けて樹脂窓にしなくても、樹脂窓以上の効果を得られることがあるということです。

とはいえ、なんだかんだ言っても住む人がしっかりとした暮らし方を身に付けることが大切なんですけどね。

今回はフレームだけのお話になってしまいましたが、窓はフレームとガラスで構成されています。もちろんガラスの性能もとても大切です。窓を見ていただければ、どの窓もフレームよりガラスが占める面積の方が大きいので、住まいに及ぼすガラスの影響がとても大きいのは一目瞭然で分かるかと思います。機会があればブログにしたいと思います。

今回お話に出てきた実験データは色々と諸事情があり、HP上にアップできませんが、見てみたいという方にはお見せしますので、ぜひご連絡ください！

それでは、また(^^)/

🍀四つ葉工房は茨城県筑西市を中心に「高耐震、高気密、高断熱、高耐久、自然素材」をベースに「デザイン×性能×コスト」のバランスを重視した注文住宅やリフォーム、リノベーションといった家づくりを行っている工務店です🍀