おはようございます。

茨城県筑西市の工務店、四つ葉工房の篠﨑です。

今回は家づくりに関して必須項目となる「換気」について基本的なことをお話しします。

換気は法的に義務付けられている

今から30年ほど前から、住宅の気密性能が良くなり、住宅建材から揮発された化学物質が主な原因で、新築住宅に入居したら、体調が悪くなったという事例が、数多く報告されるようになりました。

いわゆるシックハウス症候群です。

そしてシックハウス対策として2003年の法改正で、家の中の空気を2時間に1回入れ替わるように計画するということが義務付けられました。

ですので今の家は、価格、性能に関わらず、この基準に従って家を建てています。

でも換気方法に関しては建築会社によってまちまちです。

今回はその換気方法についてご説明したいと思います。

計画換気の種類

計画換気の方法としては大きく分けて３つに分類されます。

※給気→家の中に取り込む空気　　排気→家の外に排出する空気

第一種換気

給気、排気ともに機械を使用して行う

第二種換気

給気のみ機械を使って、排気は排気口から自然に排出する

第三種換気

給気を自然給気で取り込み、排気を換気扇などの機械で行う

住宅に関しては第二種換気はほぼ採用されておりませんので、ここからは第一種と第三種の比較をしていきたいと思います。

第一種換気のメリットとデメリット

メリット

・熱交換が付いている物が多く、外部から取り入れた空気を、ある程度室温に近づけてから室内に放出するので、熱ロスが少なく冷暖房の効率が良くなる

・外周部に空ける穴は、基本的には給気と排気で１ヶ所ずつなので断熱欠損箇所が少ない

・間取りや機器にもよるが、室内の温度差が小さくなりやすい

デメリット

・物によってバラツキはあるが、導入費用は高額になる

・ダクト式の場合、ダクト内のメンテナンスや交換が出来ないので長い目で見ると少し不安。交換修理の場合も専門業者に頼まないといけない

・第三種と比べると冷暖房費は抑えられるが、換気に係る電気代は上がる

その他細かいことは多々ありますが、主に重要な項目を抜粋しました

第三種換気のメリットとデメリット

メリット

・導入費用が、かなり抑えられる

・仕組みはとても簡単で交換も容易にできる。修理は基本は専門業者だが、故障個所によってはDIY感覚で自分で直せてしまう

・第一種と比べると換気に係る電気代は抑えられる

デメリット

・外気がそのまま入ってきてしまうので、冬は冷たい空気、夏は暑い空気と湿気がダイレクトに入ってきてしまう

・第一種と比べると、外周部(外壁)に空ける穴の箇所が多くなるので、その分断熱欠損箇所が増えてしまう

・間取りと空調の工夫をしっかりしないと部屋間で温度差が大きくなってしまう

こちらも主な重要項目を抜粋しました。

まとめ(第一種と第三種どちらが良いのか)

第一種と第三種の比較をしました。

ではどちらが良いのかという話ですが、その前にあることに気が付いたでしょうか？

実は第一種と第三種のそれぞれメリットとデメリットがまるっきり反対になっています。一方のメリットがもう一方ではデメリットになっていて、また逆も同じです。

つまり何が言いたいかというと、どちらか片方だけが正解ではないということです。

第一種はその性質上、冷暖房効率が格段に上がりますし、物によっては床下エアコンと組み合わせることで床暖房並みの効果が、床暖房の半分以下の費用で得られます(設計者の技量に大きく左右されますので絶対ではありません)

とはいえ第三種でも設計者の技量や住まい方によっては熱ロスをある程度抑えることもできます。

導入費用も、重要な要素の一つになります。

その家に住む人が何を求めるか、また設計者の考え方にも左右されますので気になる方は家づくりの相談にどこかに行った際にぜひ担当者に聞いてみてください。

大手ハウスメーカーさんや、ある程度規模の大きい工務店では、標準で第一種換気を採用しているところが多いようです。しかし残念ながら営業、設計の方が自社の換気システムのことをよく理解できておらず、お施主さんにちゃんと暮らし方を伝えることが出来ず、家の中のダクト内部がカビだらけという悲惨なことになっている事例もあるようです。

換気は今の家づくりでは法的にも必須項目ですので、ぜひ最低限の知識は持つようにしましょう

それでは、また(^^)/

🍀四つ葉工房は茨城県筑西市を中心に「高耐震、高気密、高断熱、高耐久、自然素材」をベースに「デザイン×性能×コスト」のバランスを重視した新築住宅やリフォーム、リノベーションといった家づくりを行っている工務店です🍀