高気密高断熱にする本当の意味は?part,2
こんにちは。
茨城県筑西市の工務店、四つ葉工房の篠﨑です。
今年も残すところ、あと1か月を切りました。
例年11月末からは少しバタバタします。年末年始にかけての仕事の調整であったり、最近は少なくなってきましたが、忘年会などの集まり、年末調整の準備などの事務仕事。空気も乾燥してきたので体調管理にも気を付けたいところです。
先日、商工会青年部の全国大会視察を兼ねた研修旅行で大阪に行ってきましたが、さすが西の都だけあって、東京と変わらない賑わいでした。
全国大会の会場が、サッカーJ1のガンバ大阪の本拠地でもあるパナソニックスタジアムでして、初めてサッカー専用スタジアムに入りました。陸上用トラックが併設されている競技場しか行ったことがなかったのでサッカー専用スタジアムの臨場感に少しビックリしました。せっかくなら商工会の全国大会ではなくサッカーが見たかったと思ったのは私だけではないはずw
今年、家族旅行でも大阪に行きましたがUSJがメインでしたのでほぼ関西弁が聞こえませんでしたが、今回は大阪城や新世界なども行きましたので生の関西弁がいたるところで聞こえてきて、関西に来たという実感がありました。
特に新世界の街並みは相変わらず面白いなあと思いまして、これからも変わらず残ってほしいです。
さて本題に入ります。
今回のお題は「高気密高断熱にする本当の意味は?part,2」となっておりますが、実は結構前にpart1なるものを書いておりまして、後で見返すと、言葉足らずというか、結構微妙だなと思っていまして、改めて書いてみようと思いました。
ちなみに前回のブログはこちらになります
→高気密高断熱にする本当の意味は?
前回のブログでも書きましたが、冷暖房設備をガンガン稼働させて、光熱費や温度ムラを考慮しなければ昔の家でも夏涼しく、冬暖かく過ごすことは可能です。
では住宅で高気密高断熱を勧めるのは何の為?ということで前回は光熱費削減のことに触れましたが、今回はそれも踏まえてさらに高気密高断熱の恩恵について書いていきたいと思います。
恩恵は沢山ありますが、その中でも私が大きと思うメリットを3つ書いていきます。
高気密高断熱住宅の大きな3つのメリット
1.小さなエネルギーで暮らすことで光熱費の削減につながる
前回も書きましたが、この恩恵が最も大きいと言えます。
そもそも断熱性能とは寒い時期であれば、どれだけの熱が室内から外部に移動していくかの指標を数値化したものです(暑い時期は逆の考えになります)。高気密高断熱にすればするほど室内からの熱ロスがなくなり、室内の適切な温湿度を保つために必要なエネルギーが少なくなります。結果として光熱費の削減になります。
どれくらい削減できるのかは比較となる物件の情報がないとわかりませんが、通常は断熱性能が高いほど冷暖房にかかる費用は抑えることができます。
ただし、断熱性能値はあくまでも実測することができず、部材の組み合わせによる机上の数値でしかありませんので、施工方法が悪かったりすると数値通りの断熱性能値になることはありません。
2.建物内の温度差が少なくなる
家の中で快適に過ごす上で重要なのが建物内の部屋間の温度差です。
住宅を高気密高断熱化にすると外部へ熱が逃げづらくなり、その分隣接している非暖房室に熱が移動しやすくなります。(下図参照)
温度差が小さいとトイレに行ったり、家事をするためにキッチンに立ったり、ランドリールームに行ったりした時にもストレスを感じづらくなります。
部屋を出た際に、2℃程度の温度差は体感でも感じられますが不快に感じることは少ないです。ただこれが5℃程度まで変動すると人体が不快に感じるようです。
そして一番大切なのはこの温度差の解消がヒートショックの発生率低下に関係していることです。
ヒートショックとは急激な温度差(主に10℃以上と言われている)によって血圧や脈拍に異常が出て、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす現象のことです。これらは年間で1万8千人以上がなくなっていると言われており、交通事故死者数の4倍以上にも上ると言われております。(ヒートショック関連死の詳細な人数は公表されておりません)
例えば断熱性能が高くない家でもリビングで23℃くらいに室温を調節することはできますが、お風呂に入るために廊下に出た時に16℃くらいしかなかったらまずそこで「寒っ!」となり、さらに脱衣場に行くと15℃くらいになり、服を脱いで体感温度が下がったところで12℃くらいの寒い浴室に入るということは普通にあり得ることであり、常に危険と隣り合わせにあるということにもなります。
高気密高断熱住宅では居室と非居室の温度差が少なくなりますので、ヒートショックのリスクも低下します。さらにヒートショックの発生は高齢になるほど発生率が高くなりますので、若い時に建てる家でも老後の備えとして断熱を考えていただきたいです。
3.健康寿命が延び、医療費の削減につながる
高気密高断熱住宅と健康には密接な関係があり、住宅の断熱性能向上はアレルギーなどの疾患の改善と結びついているというデータがあります。
上記の図表の断熱グレードは
3が少し前の住宅、4が今の基準の住宅、5が当社で推奨している断熱等級6以上程度の住宅だと思っていただいていいかと思いますが、改善率がかなり改善しています。
それだけでなく適切な住環境で暮らすことで自己免疫力が上がり、風邪をこじらせて、仕事を休んで病院に行く回数が減るという研究結果も出ています。
そうした医療費の削減額と、体調不良による休みが少なく健康寿命が延びることで生涯賃金も増えることなどと相まって、生涯を通して試算すると大きな差になっているという研究結果も最近よく見聞きします。
まとめ
少し前まではお金をかけて高気密高断熱にして、光熱費が安くなっても初期費用の分を考えると、どちらがお得か分からないなどと言われておりました。これは比較対象の物件のスペックが分からないと検証できませんので根拠のない話ですね。
ただ実際あまりお金をかけても高いレベルでの比較になると光熱費の差が出にくく、断熱等級6と7ではコスパは6の方が良いともいわれています。(これは一概にどちらが良いとは言えませんので誤解しないでください)
ところが昨今のエネルギーの高騰や健康まで考えると元気に働ける日数も増え、医療機関に支払う金額も抑えられるので、より高性能住宅のほうが長いスパンで見た時に断然お得であるという人もいます。
よく家づくりの話をしていると「老後を考えて平屋が良いかなぁ」、とか「老後は階段の上り下りをあまりしたくないから夫婦二人で一階だけで生活できるような間取りにしたい」というお話は本当によく聞かせていただきます。
なのでそういった老後を考えた家づくりができる方であれば、新築の時にお金がかかっても断熱もしっかり考えて老後に備えることは大切なことだと思います。
当社ではお施主さんに永く快適に暮らしていただくための家の断熱性能の目安としてUa値0.34程度を基準とした提案をさせていただいておりますが、この性能が果たして正しいのかは住まいの主役であるお施主さんの判断となります。
どうかご参考にしてください。
それでは、また(^^)/
🍀四つ葉工房は茨城県筑西市を中心に下妻市、結城市、桜川市、八千代町、つくば市北西部で「高耐震、高気密、高断熱、高耐久、自然素材」をベースに「デザイン×性能×コスト」のバランスを重視した新築の注文住宅やリフォーム、リノベーションといった家づくりを行っている工務店です🍀