やっぱり必要だと思えなかった長期保証
こんにちは。
茨城県筑西市の工務店、四つ葉工房の篠﨑です。
先日3人の娘が習っているダンスサークルの年度末の大きな発表会がありました。末っ子はまだ年中なのでお姉ちゃん2人とは、クラスは違うのですが幼児クラスの中でもさらに最年少ながらMCも務め堂々としたダンスに成長を感じ嬉しく思いました。
小1の次女もまだ初めて1年未満ですが、思いっきり体を使って踊っていて、観ているこっちが楽しくなりました。
小3の長女はさすがにダンス歴3年ということもあり、かっこいいダンスを披露してくれました。長女の同学年は人数が多く、始めた時期も同じくらいで、小1の初めてのイベントの時はお遊戯会みたいになってましたが、あれから3年ほどたち、みんな見違えるように上手く、カッコよくなっていて感慨深いものがありました。
また来年はどんな成長をしているのか楽しみです。
本題に入ります。
今回は長期保証のお話なんですが、実は過去にも長期保証については書いていまして、その時にも長期保証は必要ないのでは?みたいなことを書いていました。
過去ブログはこちらをクリックして見れます。
→住宅の延長保証の狙い。本当にお施主さんのことを考えていますか?
→60年保証に触れてみた
また同じようなことを書こうと思ったのは理由があります。
実は昨年の秋頃に新築の相談で来てくださった方で、初めての面談の時に非常に良い雰囲気で話しが終わり、次のステップに進みましょうと言ってくださったのですが、後日当社が長期保証を付けていないことが理由でお断りの連絡をいただきました。
その方曰く、「30年以上お金を払うものなのに、家電並みの保証しかついていないのがちょっと…」とのことでした。
その時にも少し長期保証の落とし穴について説明させてもらったのですが、伝わらなかった、というか安心感が欲しいという思いの方が強かったのかなと。
その後年が明けてから長期保証を取り扱っている会社さん二社と話をする機会があり、今までは聞く耳持たずだったのですが、もう一度しっかり話を聞いてみようと思い、聞いてみました。
まず初めに住宅の長期保証って何?という方もいらっしゃると思いますので、簡単に説明します。
そもそも法律では欠陥工事などをされてしまった建て主さんが困らないように引き渡してから10年間は瑕疵(欠陥や不備、工事の不具合など)に対して建築会社が責任を持つと決まっています。これが瑕疵担保責任と言われる制度です。
長期保証制度はその保証制度を最長30年や50年、60年とさらに延長します、という制度です。
それだけ聞くと「長期間住宅ローンを払って、ずっと住む家なんだから良いことじゃん」と思われるかもしれませんが、誤解してほしくないのが、建てただけで、30年とか60年の保証になるわけではないということです。「最長〇〇年保証」の「最長」というのがキーワードです。
前述しましたが10年は法律で決まっています。そのケースで言うと10年が経過した後に点検を受けて有償のメンテナンス工事を行ってから10年間保証が延長されるということになります。その流れでずっと10年ごとに点検とメンテナンス工事をしてもらって「最長」の期間になるまで保証の再延長が繰り返されます。
初期保証期間は会社によって違いますが、多くは10年。たまに20年という会社さんもあります。
定期点検については私も大賛成です。見えるところなどは日常的に点検しやすいですが、たまには天井裏や床下も潜って点検した方が良いです。これに異論を唱える人はいないでしょう。
問題はメンテナンス工事です。
点検の結果、修繕した方が良い箇所が見つかり、メンテナンス工事をすることはもちろん悪いことではありません。
ここで注意したいのが多くの保証では再延長の際に塗装などのメンテナンス工事が必須になっているということです。もしかしたらまだ必要ではなかったかもしれない工事を前倒しで行わないと保証延長してもらえないということになります。
これが嫌で長期保証の導入を見送っていました。
ただ今もし話を聞いたら考えが変わるかなと思い、今回話を聞いてみることに。
まず1社目は建築従事者なら耳にしたことがあるであろう大きい保証会社でした。
そこはまさしく大手ハウスメーカーさんが導入しているような保証内容で、「保証延長を名目に定期的にお施主さんからの工事を獲得できるような仕組みを作って売り上げを伸ばしましょう」というの考え方でした。内容も定期的な工事が必須で、私からするとやはり無いなと。
2社目は考え方はお施主さんに安心感を持って永く住んでもらいたいという理念のもと、工務店とお施主さんの末永い信頼関係構築にも役立てるのではというお題目で商品設定がされていたので、費用も比較的リーズナブルで、延長条件もメンテナンス工事が必須とは限らない、そのかわり、しっかりメンテナンスや点検をしなければ保証延長は受け付けません。というスタンス。
特に2社目は想いの部分を強く強調して話してくれました。
ただ、それでも長期保証導入には至りませんでした。
理由としてはお施主さんの費用負担が増えることと、保証対象となる条件に引っかかるところがあったからです。
費用負担に関しては、本当に必要なことであれば良いのですが、自分が納得していないことで、お施主さんに負担してもらうのが嫌だという私の考えがあります。保証料も無料ではありません。10年間延長するのですから、それなりの費用が掛かります。
保証対象の条件ですが、長期保証はどの会社も同じなんですが、保証されるのは構造と雨漏りの2つのみです。壁紙がはがれてしまった、床に傷がついてしまったといった表面的なことはもちろん、何かをぶつけて外壁やサッシのガラスが破損してしまったといった住まい手側の過失も対象外です。
さらに保証対象だったとしても原因が瑕疵(かし)が起因とされる事象にしか保証されないということ。
瑕疵とは分かりやすく言うと欠陥や不備、工事の不具合などのことです。
経年劣化や自然災害に起因する雨漏りや建物の歪みなどは保証の対象外です。
部材には耐用年数がある程度決まっていますので、例えば耐用年数が20年程度の部材を使っていて、耐用年数を超えて使用していた場合、そこが起因の事故の場合、保証は認められません。
台風、大雪、地震などの自然災害に起因するものも同じです。
たとえば台風が原因で雨漏りした場合には火災保険での対応になります。
そうなると、その保証ってどこで使うのよ?ってなりませんか?
今回2社目にお話を聞かせてもらった会社は長期保証を取り扱い始めてからまだ8.9年目らしいですが、事故として認められて保険金をお支払いしたケースは1件もないそうです。
まず初めにしっかりとした仕事をしてお引き渡しをする。
それから定期的に点検をして、ダメになってしまった、なりそうなところがあったら直す。
そうすれば必要のない保証料と、必ずしも必要のない工事のお金を払う必要はありません。
と思うのですが、どうでしょうか?
お付き合いさせていただいている工務店さんで長期保証制度を導入されている会社さんは聞かないので同じような考えなんだと思います。
今回お話を聞いて気持ちは以前と変わらず、導入は見送ることにしましたが、今後、長期保証がお施主さんのために必要だと思えるようになったら導入するかもしれません。
ちなみに設備の10年保証は個人的には、あっても良いかもと思っています。
当社も設備保証は任意ですが、導入しております。
それでは、また(^^)/
🍀四つ葉工房は茨城県筑西市を中心に下妻市、結城市、桜川市、八千代町、つくば市北西部で「高耐震、高気密、高断熱、高耐久、自然素材」をベースに「デザイン×性能×コスト」のバランスを重視した新築の注文住宅やリフォーム、リノベーションといった家づくりを行っている工務店です🍀