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60年保証に触れてみた

こんにちは。

筑西市の工務店、四つ葉工房の篠﨑です。

数年ほど前から大手HMさんを中心に長期の保証を謳う会社が増えてきました。

今は全国展開しているHMさんは当たり前のように「60年(以上の)保証」を掲げています。

家だけでなく、私たちの身の回りのモノには保証が付いているものがたくさんあります。購入する際の安心感や、期間内に何かあった時には無償で直してもらえたりしますし、消費者からすればありがたいことですね。私も家電などでお世話になったことはあります。

戸建て住宅は、ほとんどの方が、一度建てた家に何十年と住むので、いわゆる使用期間は身の回りのものと比べても、かなり長いものになります。

今は女性の2人に1人が90歳まで生きる時代ですので、仮に30歳の時に建てた家に90歳まで住むとなったら、「60年」といった長期の保証が付いているのは魅力に感じてしまいます。

でも今回はそんな長期保証について初めに少し知っておいてもらいたい裏側をお話しします。

実は当社も、3年ほど前に保証会社の方と縁があり、お施主さんに安心してもらえるなら良いかも! と思い話を聞く機会がありました。

何せ当社は小さい会社ですので、大手さんみたいな安心感がありませんので、少しでもお施主さんのためになればと思っていました。

あれから3年…

少し悩んだのですが、今現在でも60年と言った長期保証制度は採用しておりません。(使おうとすれば使えるようにはなっておりますが)

理由は「本当にお施主さんのために良い」と思えないからです。

そもそも住宅の保証って何年が普通なの?

そもそもの話です。

実は新築住宅には法律で決まっている保証期間があります。

2007年に公布された住宅瑕疵担保履行法で新築住宅の引渡し日から10年間、構造上の欠陥や屋根などからの雨漏りに対して建築会社が責任を持つことになっています。

ただし、建築会社の対応や、財務状況によっては建て主さんの泣き寝入りになってしまう可能性もあるので、そこで作られたのが、瑕疵保険制度です。(詳しい説明は今回は省きますので、詳しく知りたい方は「瑕疵保証とは?」で検索してみてください)

この保険はすべての会社が加入、もしくはそれに準じた対応をしているはずです。当社では日本住宅保証検査機構(JIO)という団体に加盟しています。

つまりちゃんとした会社が建てる家は10年間は保証期間が付いています。(あくまでも構造及び雨水の侵入に対してです)

外壁材や住宅設備機器などはこの保証の対象外です。

建てただけで60年保証になるわけではない

先ほどの法律で決まっている最低10年の保証を延長させたのが、60年などの長期保証になるのですが、まず知っておいてもらいたいのが、建てただけでは60年間の保証はないという事です。

ここからは各社バラツキはありますが、一般的なのは初めから付いている10年の保証期間の終了後、無償の点検を受け、必要であればその会社が指定した有料の工事を受けた上で10年間保証が延長されます。それを60年などの決まった期間まで繰り返し行うという事です。

ここで注意しておきたいのが他の建築会社の工事では、保証されないという事です。新築を建てたHMや工務店以外で工事することはできません。

つまり相見積もりも値引きもできません。ほかの業者の方が安いからそちらに頼みたいと思ってもできません。保証が外れます。

ちなみに一回の工事の金額も大きいです。

先日YouTubeを見ていたらTホームさんの10年点検後の延長保証するための工事費が200万超えていたというのを見かけました。

あくまでもSNSですので真偽は分かりませんが、ローコスト住宅で建てた場合、多いのは「屋根がコロニアル、外壁は窯業系サイディング」の組み合わせが多いので、そうなると10年もしくは15年ごとの塗り替えは間違いなく言われますので、足場をかけて、コーキングを打ち直し屋根と外壁の塗装をして、その他少し手を加えれば200万超えの見積書を提示されてもおかしくはありません。

仮に200万の工事を5回行えばそれだけで1000万かかってしまいます。

いくら安心を買うからと言ってもこれでは半永久的に建築会社にお金を払い続けるだけなのでは?と思ってしまうのは私だけではないはずです。

リフォーム産業新聞でリフォーム部門の売上高の上位に新築系大手HMさんが多く名を連ねているのは、単なるリフォーム工事ではなく、保証延長の修繕工事の影響だと言われているのも納得ができます。

まとめ

お金を払って安心を買うことは悪いことではありません。

ただ単純に「当社は長期保証が付いているから安心ですよ」と言われて飛びついてしまうのは危険だと思い、今回ブログにしてみました。

当社ではまず、新築住宅では10年や15年で修繕が必要な外装材はよほどのことがない限り、提案しておりません。

それから修繕に関しても、ダメになったら直す!というスタンスで良いと思っています。

雨漏りで怖いのは外壁でなく、屋根です。

屋根は形状や仕様によって雨漏りのリスクは大きく変化します。

そこらは設計の段階で気を付けて、工事の際には特に注意を払っています。

根拠はありませんが、ちゃんとした建築会社がしっかりとした工事をしていれば40年くらいはノーメンテナンスで持ってしまうと思っています。

ですから私はお金をかけた長期保証にあまり魅力を感じません。お金をかけるなら絶対に初めにかけた方が良いです。

最後まとまりが悪くなってしまいましたが、長くなってしまいましたので今回はこの辺で!

それでは、また(^^)/

🍀四つ葉工房は茨城県筑西市を中心に「高耐震、高気密、高断熱、高耐久、自然素材」をベースに「デザイン×性能×コスト」のバランスを重視した注文住宅やリフォーム、リノベーションといった家づくりを行っている工務店です🍀

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